日本では料理の薬味として用いられる「しそ(紫蘇)」で作った「しそ茶」は、風味がよくて飲みやすいのが特徴です。しかも様々な健康効果を期待することができ、なかでも糖尿病の予防や改善効果を期待できることは、注目に値します。ここでは、しそ茶が糖尿病予防・改善におすすめな理由や健康効果、栄養成分、おいしい飲み方などについて紹介していきます。
しそ茶には、悪玉コレステロールを減少させる効果があるといわれています。それが本当なら、しそ茶は糖尿病予防・改善におすすめです。なぜなら、体内で悪玉コレステロールが高まると血流が悪化したり、動脈硬化を促進するなど、糖尿病の要因になる症状を招く恐れがあるからです。
また、糖尿病患者において、高コレステロールは心疾患の発症リスクを増大させるといわれ、糖尿病患者はコレステロール管理が重要といわれるほどです。このことから、しそ茶は糖尿病に対して良い影響があることが分かります。
しその中にはメガ3脂肪酸の一つ、αリノレン酸が含まれています。αリノレン酸の特徴は、成人病を予防する効果を期待できることです。具体的には、αリノレン酸が血中の中性脂肪を減らしたり、血栓の形成を阻止したり、高血圧を予防しますが、こうした一連の作用が心疾患や脳梗塞などの成人病を予防することに繋がります。
しそ茶に含まれるαリノレン酸には、血流を高める効果もあるといわれています。血流は血液の流れを意味しますが、循環が悪くなると末梢の血行不良に陥り、体のすみずみまで酸素と影響が行き渡らなくなり、体温が低下して冷え性になります。αリノレン酸はその逆の作用をもたらし血流をよくするので、冷え性対策になります。
しそ茶の中には、抗酸化作用があるといわれる「βカロチン」や「アントシアニン」も含まれています。抗酸化作用は体の衰えや老化に抵抗することですが、その作用が強いβカロチンとアントシアンを含むしそ茶には、肌ツヤ・髪ツヤの衰えなどに抵抗する、アンチエイジング効果を期待することができます。
αリノレン酸は、メガ3脂肪酸の一つにして、不飽和脂肪酸の一つであり、人の体内では作れない必須脂肪酸として有名です。既述のとおり、悪玉コレステロールの減少、高血圧予防、血流アップなどの効果が期待できます。
βカロチンは、緑黄色野菜などに含まれる色素の一種です。前述のアンチエイジング効果のほか、黄斑変性症の予防、夜盲症の予防・改善、ガン予防など、さまざまな予防改善効果が期待できる成分です。
アントシアニンは、ポリフェノールの一種であり、ブドウやリンゴなど果実に多く含まれる青紫色の天然色素です。抗酸化作用をもち、アンチエイジング効果が期待できるほか、視力改善、毛細血管保護、抗炎症、抗潰瘍作用、糖尿病性網膜症の予防効果などもあるといわれています。
鉄分は、ヒトの体内に3~4g存在し、血液のうち赤血球を生成するのに欠かせない栄養素であり、ミネラルの一種です。血流アップや酸素を供給する働きがあり、冷え性や低体温症の予防に効果的です。
しそ茶のおいしい飲み方としては、梅酢を入れたり、すり下した生麦を入れたり、炭酸水やレモン水と割るなど、多彩なアレンジ方法があります。しそ茶はそのままでもおいしいですが、飽きを感じたときはアレンジに挑戦してみましょう。
しそ茶の副作用は特にありませんが、過ぎたるは及ばざるがごとしで、摂りすぎると胃腸を緊張させるなど体に負担をかけてしまう可能性があるので、摂り過ぎには注意しましょう。