杜仲(トチュウ)茶の原材料である杜仲の木は、中国では長らく親しまれていて、その樹皮は不老長寿の薬として国民に愛用されています。味や香りにはくせがなく、ほんのりした甘さがあるのが特徴です。
トチュウ(杜仲)を使ったお茶は肥満や、コレステロール・中性脂肪・内臓脂肪の蓄積、インスリン抵抗性を改善する効果があるとして注目されています。『痩せホルモン』と言われているアディポネクチンを増加させる効果を持ち、脂肪燃焼を促します。
アディポネクチンは脂肪細胞から分泌されるホルモンで、血液中にある糖の取り込みを促進し、脂肪を燃焼しやすくする働きがあります。さらに傷ついた血管を修復する働きも。糖尿病によって増えた血液中の糖や、ダメージを受けた血管に良い働きをもたらしてくれるのです。
トチュウ(杜仲)にはカリウムが豊富に含まれています。水分を体にため込んでしまうナトリウムの作用を阻害する働きがあり、体内に不要な老廃物をスムーズに排出。腸の働きも促してくれるため、便通を改善させる効果も上がります。
ゲニポシド酸という成分に、縮んだ血管を緩める働きがあることがわかっています。これは副交感神経に刺激を与え、リラックス感を誘引。ストレスが低減されると同時に、血流が改善し、血圧を穏やかに低下させる効果があります。
トチュウ(杜仲)の葉に含まれるゲニポシド酸やアスペルロシドが、コレステロールの吸収を抑えてくれます。正確には善玉コレステロールであるHLDコレステロールを増やす働きがあり、余分な悪玉コレステロールを回収してくれるため、コレステロール値の上昇が抑制されるという流れ。メタボリックシンドローム解消の効果も期待されます。
最近特に注目を集めているのが、ゲニポシド酸という成分です。ゲニポシド酸は、副交感神経を刺激して血管を拡張させる作用を持ちます。副交感神経は人が寝ている時に働く神経で、刺激によって血流改善や血圧抑制の効果が期待できるといわれています。
胆汁酸の分泌を促し、血液中の胆汁酸の量を増やしてくれる成分です。胆汁は脂肪の消化を助けてくれるため、肥満予防に効果的。体脂肪が減少し肥満の改善に繋がります。
さらに胆汁酸は、膵臓でインスリン分泌をサポートしている「GLP-1」の分泌を促進するともいわれています。インスリンの分泌により正常な糖の吸収を促進。膵臓の疲弊も防ぎ、血糖値上昇の抑制に繋がります。糖尿病の治療にも利用されている成分です。
抹消血管を拡張する作用を持つ成分です。血栓やコレステロールを溶かし除去してくれます。除去された老廃物は尿となって排泄され、新しい血液が循環。血の滞りが解消され、血流がよくなり、腰痛などの改善効果も期待できます。
杜仲茶は、一般的なハーブティーと同じように茶葉に熱湯を注いで入れるのが一般的です。水出しも可能ですが、成分をよりよく抽出したいのであれば、しっかりと煮出して飲みましょう。冷たく飲みたい場合には、成分をしっかり煮出した後に冷やせば問題ありません。効果を期待する場合には、空腹時に飲むのが効果的です。
杜仲茶はノンカフェインなので子どもでも飲みやすいお茶です。副作用はほとんどないといわれています。ただし、カリウムが多く含まれているため、腎機能が低下している方やカリウム製剤・利尿薬などを飲んている人は注意しましょう。高カリウム血症を引き起こす恐れがあります。一度に多量摂取するのではなく、毎日適量を継続して続けるようにしてください。