エルカンプーレはペルー原産のリンドウ科に属する植物で、アンデス山脈の高地で育ちます。ハーブの一種で、ペルーでは伝統的な薬草として利用されています。「町から町へ歩いて移動する」という語源をもち、インカ帝国時代には医者のことをエルカンプーレと呼んでいたそうです。
エルカンプーレには、内臓脂肪の減少、中性脂肪の低減、血液サラサラ効果、糖代謝を高めインスリンを減少させるなどの効果があります。一定期間摂取することで、血糖上昇抑制やインスリン抵抗性改善作用、脂質代謝改善作用が見られたという研究結果も。このことから、生活習慣病の改善に繋がり、糖尿病などの改善や予防にもなることが分かります。
ペルーの首都リマでは、エルカンプーレの粉末がお茶やサプリメントとして市販されています。現地では肥満に悩む人や体型を維持したい人の間で、ダイエット効果が期待され利用されているようです。メタボリック・シンドロームの予防・改善を目的に行なわれた実験でも、有効な結果が得られたと報告されています。
コレステロールには善玉と悪玉があり、身体の中で余った脂肪分を回収するのが善玉のHDLコレステロールです。そのため、HDLコレステロールが低下すると、動脈硬化になりやすくなります。それを防ぐために役立つのがエルカンプーレ。このHDLコレステロールの血中濃度が低い“低HDLコレステロール血症”の改善に役立つと言われています。
現在でも自生地周辺のインディオの間では「苦味健胃剤」として、消化機能の低下や慢性胃炎などの胃腸症状の改善に利用されています。また感染症の予防やマラリアの解熱、糖尿病、肝炎などにも民間薬として用いられているようです。
エルカンプーレには、さまざまな成分が含まれています。中でも含有量が多いものとして、「マンジフェリン」があげられます。マンジフェリンは、糖の吸収を阻害する働きがあると言われています。
お茶や粉末として販売されています。エルカンプーレはそのままで飲むと苦味があるので、飲みにくいと感じる場合には、他のお茶や牛乳などに混ぜて飲むと飲みやすくなります。
特に大きな副作用は報告されていませんが、作用として血圧が下がったり、血糖値が低下したりすると言われているため、日常より低血圧や低血糖になりやすい方が摂取するのは避けた方がいいでしょう。また、現在糖尿病や高血圧等の治療中で内服されている方も、医師との相談が必要です。