糖尿病のリスクを確認する項目は主に「糖代謝」「肝機能」「脂質代謝」の3つです。これらの数値で異常が見つかると、糖尿病もしくは糖尿病予備軍と言われます。
血糖値300以上から基準値へ…
奇跡の回復を遂げた男性の
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検査項目 | 基準値 | 単位 | |
---|---|---|---|
糖代謝 | 尿糖 | - | - |
血糖 | 70~109(空腹時) | mg / dl | |
HbA1c | 5.6未満 | % | |
肝機能 | AST / ALT | 10~30 | IU / L |
γ - GTP | 男性:79以下/女性:49以下 | IU / L | |
総ビリルビン | 0.2~1.2 | IU / L | |
脂質代謝 | 総コレステロール | 140~199 | IU / L |
LDLコレステロール | 120未満 | IU / L | |
HDLコレステロール | 男性:40~80/女性:40~90 | IU / L | |
中性脂肪 | 150未満 | IU / L |
糖代謝
糖尿 | - |
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血糖 | 70~109(空腹時)[mg/dL] |
HbA1c | 5.6未満[%] |
肝機能
AST/ALT | 10~30[IU/L] |
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γ-GTP | 男性:79以下[IU/L] 女性:49以下[IU/L] |
総ビリルビン | 0.2~1.2[IU/L] |
脂質代謝
総コレステロール | 140~199[IU/L] |
---|---|
LDLコレステロール | 120未満[IU/L] |
HDLコレステロール | 男性:40~80[IU/L] 女性:40~90[IU/L] |
中性脂肪 | 150未満[IU/L] |
血糖値の高さを診断するための基準値は3つあります。
以上の検査数値を満たす場合、血糖値が高いと言えます。「糖尿病」の診断はHbA1cの検査と合わせて判断されますが、血糖値だけ見ると立派に糖尿病レベル。
血糖値が高いと言われたら、基本である食事療法を行なうようにしてください。食事量を見直し、脂肪や糖質の多いものを摂取し過ぎないようにすることが大切です。野菜や海藻、きのこなど繊維の多いものを食べるようにしましょう。
HbA1Cとは、酸素を運搬するヘモグロビンに糖が結合した糖化産物=『糖化ヘモグロビン』がどのくらいの割合で存在するかをパーセント(%)で表したものです。血糖値が慢性的に高い状態が持続すると増え、1~2ヶ月間変動しないため、糖尿病の診断に役立ちます。正常値は5.6%未満、5.6%以上はメタボ健診の指導対象になります。また6.5%以上は糖尿病を強く疑われます。
参照元:国立循環器病研究センター病院:糖尿病・脂質代謝内科(http://www.ncvc.go.jp/hospital/section/ld/endocrinology/hba1c.html)食事療法に加え、運動療法を行なうことも大切になります。運動療法というとなかなか難しいかもしれませんが、毎日の生活に少しプラスしてみてください。階段を使うようにしたり、なるべく歩くようにしましょう。
参考文献:川上晶也(2019)『世界一簡単な血糖値を下げる本』p.4-5,株式会社インテルフィンHDLコレステロールが高い場合には特に問題ありませんが、低い場合は脂質異常症のリスクが上がります。HDLコレステロール値が40mg/dl未満の場合には脂質異常症が疑われるケースも。脂質異常症になると動脈硬化や糖尿病などのリスクも上がります。
改善のためには、まずはライフスタイルを見直すことが大切になります。肥満がある場合には食事と運動を見直してください。なるべくコレステロールが高いものの摂取を控え、食物繊維はコレステロールを排泄してくれるのでしっかり摂取しましょう。
糖尿病がある人の場合、コレステロールの値が高いことで、心疾患のリスクが高まります。そのため、糖尿病がある人はLDLコレステロールの値を120mg/dl未満に留めておくことが大切になります。
食事療法と運動療法により、糖代謝と脂質代謝を改善することができます。また、食事や運動を気にかけることで、血糖値や血圧を下げる効果もあるため、日常生活で食事や運動に気をつけることが重要になります。食事に関しては動物性脂肪の摂りすぎには注意する必要があります。
参考文献:川上晶也(2019)『世界一簡単な血糖値を下げる本』p.4-5,株式会社インテルフィンインスリンには肝臓に作用して血糖値を低下させる作用がありますが、肝臓に脂肪が蓄積すると、インスリン抵抗性が生じてしまいます。その結果、高血糖や高インスリン血症になり、糖尿病になります。肝臓に負担をかけないためにも、γ-GTPを男性50IU/l以下、女性30IU/l以下が理想的とされています。
γ-GTPを上げないためには、アルコールを過剰摂取しない、野菜や魚を中心にして脂っこいものや糖分の多い食事は控えるようにしてください。生活習慣を見直し、適度な運動を取り入れることも大切です。
参考文献:川上晶也(2019)『世界一簡単な血糖値を下げる本』p.4-5,株式会社インテルフィン糖尿病がある場合、血糖値だけではなく血圧や血清脂質にも異常が生じます。血清脂質の中でも中性脂肪のコントロールはかなり重要。糖尿病があり、脂質異常症も見られる場合は生活習慣の改善が必要です。
不飽和脂肪酸を多く含む、バターやラード、肉の脂身はLDLコレステロールを増やすため、なるべく摂取を控えるようにしましょう。その分、食物繊維をしっかりと摂取することが大切になります。食物繊維は脂肪分やコレステロールを包み込み体外排出してくれます。これらのことをふまえた上で食事管理を行うことが必要になります。
参考文献:川上晶也(2019)『世界一簡単な血糖値を下げる本』p.4-5,株式会社インテルフィン千葉県にお住まいの加藤陽一さん・48歳とその奥様の富士子さんにインタビューを実施(2016年1月時点)。当時の様子を振り返っていただきました。
▼加藤さんの数値の変化
血糖値 | 血圧 | 中性脂肪 | 総コレステロール | |
---|---|---|---|---|
2006年4月 | 149 | 138.86 | 135 | 148 |
2007年4月 | 170 | 140.80 | 51.3 | 230 |
2008年4月 | 317 | 144.86 | - | 230 |
2013年11月 | 184 | 150.11 | 282 | 178 |
2014年4月 | 221 | 164.90 | 146 | 164 |
2014年11月 | 225 | 168.88 | 152 | 169 |
2015年4月 | 230 | 132.84 | 173 | 166 |
2015年11月 | 111 | 110.66 | 33 | 115 |
ー当時、健康診断の数値はどれくらい高かったんですか?
ー加藤さん:10年くらい前からかな。HbA1cはそうでもないけど、空腹時の血糖値が300以上になって。体重も90kg以上ありました。2006年くらいの話ですね。酒は飲むし、食べる量も多いしで、体重は鰻登りでした。自分で食生活に気をつかいながらも、結局は挫折して、また数値が上がる…これを繰り返しながら、ずっときたんです。
ー富士子さん:私が「健康茶を飲みなさい」といっても、飲まなかったんです。仕事が忙しいとか、面倒くさいとかもあったんでしょう。
ー加藤さん:そのときはお酒優先でした。水分はお酒でとっていましたもんで(笑)
ーお酒は毎日とってたんですか?
ー加藤さん:そうですね。まず缶ビールを3本。ウィスキーをロック、芋焼酎と。脂っこいものと揚げ物をつまみにして、最後に締めのご飯。炭水化物です。
ー富士子さん:お弁当も必ず二人分。から揚げ弁当とか好んで食べてましたね。「お酒を飲むのは少し控えたら?」といっても「俺は飲まないと、やってられない」と…。
ー加藤さん:男はそういうところがありますね。「一日の終わりに発散させたい」みたいな。
ーその後、生活が一変した、と。
ー加藤さん:はい。まず、足の痺れを感じて…。末端神経の麻痺?のようななのを実感してきて。血管の中に虫が走るような感じです。ムズムズムズーって感覚でこれが気持ち悪い。1日中続くんですよ。お酒を飲んだ後は特に感じました。手足の指に針で刺されたようなチクチクする感覚を覚えることも増えていきました。足を触ったら、感覚があまりなかったこともあります。血色もみるみる紫色になっていて…。高血糖による足の壊死なのかな?と頭をよぎったんです。目もかすむようになり、視野が狭くなり、網膜症になっていることにも自覚しました。
ー富士子さん:この症状は1年前あたり(2015年)からで、「視野が欠ける」ということはずっと言っていたんです。私は「病院にいきなさい」と言っていましたが、「仕事が忙しいからいかない」と。このとき私たちはこの症状が糖尿病が原因とは思っていなかったんです。それで翌年(2016年)眼科にいったら、増殖性糖尿病網膜症(重度)ということがわかって。「目はこれ以上よくならない。もっと悪くなったときに手術をする」となって。それで通院が始まりました。
ー加藤さん:その年の検査では、HbA1cが9.7、血糖値が289、中性脂肪が341でしたね。その数ヶ月前から先生に「インスリンを打たなきゃダメだよ」「2週間ほど入院する時間を取って」といわれていたのですが、2,3ヶ月そのまま放置していたんです。
ー富士子さん:当時は2ヶ月に1回の健診で、そのたびに先生に「いつ入院する?」と言われていましたからね。
ー加藤さん:インスリンを打つ前には入院させられるので、そこで2週間ほど指導をうけないといけないんです。でも仕事があるし、そんなことができるわけがない…。でも体に違和感がありすぎるし、仕事にも差し支えが出てきました。視力が落ちてきてしまって、このまま見えなくなってしまうのかな…と。
ーで、一念発起しようと。
ー加藤さん:はい。病院の先生から「あなたの人生はこれしかないんだから、このままでは未来がない(=失明する)から、今のうちのちゃんとしておかないと」と言われて、大きな病院を薦められました。
それまでほんの少し飲んでいた健康茶も、(通常3杯のところ)1日6杯分を飲むようにしました。お酒もやめて、弁当も2個食べることをやめました。
ー変化はありましたか?
ー加藤さん:1年で78kg(2014年11月)から64.8kg(2015年11月)まで下がりました。今では62.8kg(2016年1月)です。
ー先生の反応はどうでしたか?
ー加藤さん:びっくりされています。「あなた、何をやったのですか」って。本当にうれしいですね。1ヶ月ごとに病院に行くのが楽しくなりました。
ー富士子さん:どんどん数値も減っていったんです。
ー加藤さん:2015年8月には、血糖値118・HbA1c6.5・中性脂肪54
2015年9月には、血糖値112・HbA1c5.9・中性脂肪49
2015年10月には、血糖値110・HbA1c5.4・中性脂肪50
2015年11月には、血糖値82・HbA1c5.2・中性脂肪36までに。
ーなぜこんなに下がったのでしょうか?
ー富士子さん:とにかく健康茶を飲みなさいと言い続けましたね。
ー加藤さん:今では毎日朝3時に起きて、まる1日仕事をやっていけています。ってことは、健康ってことですよね。