糖尿病対策にお酢がいいという話があります。酢の物、お寿司、酢漬けなど、料理で使われることが多いお酢は、さまざまな症状の改善、健康維持の助けが期待できるのです。糖尿病に対し、お酢はどの点で予防になるかご紹介します。

酢の健康効果とは

酢

疲労回復

疲れたときの回復をサポートしてくれます。激しい運動をしたあと、人は「疲れ」を感じます。体を動かすときのエネルギー源は糖質や脂質です。

ランニングなど長時間体を動かす場合、筋グリコーゲンという筋肉に蓄えられた糖質が使われます。筋グリコーゲンがなくなると人間は疲れを感じるのです。

疲れの解消には、食事からグリコーゲンを摂取しなければなりませんが、そのときお酢が助けになります。糖質だけ取るよりお酢と一緒に摂取したほうが、筋グリコーゲンを効率よく蓄えられるからです。そのため、お酢は疲労回復に役立ちます。

体脂肪・内臓脂肪を減らす

体脂肪や内臓脂肪の減少に一役買ってくれます。脂肪は皮下の皮下脂肪と内臓周辺に溜まる内臓脂肪があります。内臓脂肪は生活習慣病のリスクを高めるといわれ、高脂血症や高血糖や高血圧につながるため、糖尿病とも無縁ではありません。

お酢には酢酸という成分が含まれており、脂肪が溜まるのを抑える働きがあるといわれています。また、毎日摂取すると、内臓脂肪が減るという説もあるのです。

肥満は糖尿病をはじめさまざまな病気の要因です。ダイエットを考えている方はお酢の力に注目してみてください。

腸内環境の改善

お酢には抗菌作用があります。腸には善玉菌と悪玉菌と日和見菌という細菌が存在しています。この中で悪玉菌が体に悪影響を与えるのです。

悪玉菌が増加すると腸のぜん動という動きが悪化して便秘になります。腸にずっと便があれば有害物質が増え、にきびのような肌トラブルや、糖尿病など大きな病気にもつながるといわれてます。

お酢に含まれるグルコン酸は善玉菌の好物。結果、善玉菌が増えて活発化し、腸内環境を整えます。また、酢のクエン酸は、ミネラル分を吸収しやすい形に変える働きもあるのです。糖尿病予防など、健康維持のためだけではなく単純に便秘がちの方にもお酢が助けになります。

美肌

お酢は美肌作りを助けてくれます。肌が劣化する要因に、過酸化脂質という脂質があります。中性脂肪やコレステロールが活性酸素で酸化して有毒化したもので、色素沈着やシワなど肌トラブルの原因以外に、病気につながるともいわれているものです。

お酢は過酸化脂質の上昇を抑え、美肌にいいとされるビタミンCを壊す働きを持った酵素を弱めます。また、腸内環境を整え、肌に悪影響が出るのを抑えるため、美肌にいいと考えられているのです。

年齢が高くなると若々しい肌を保つのはむずかしくなります。若見えの肌を保つためにもお酢はおすすめです。

血圧抑制

お酢を毎日摂取すると、高血圧を抑制できるといわれています。血圧が正常な方の場合、お酢を飲んでも過剰に血圧が低下することはありません。

お酢に含まれる酢酸は血中脂質が高い場合、低下させる働きがあるといわれています。また、研究や実験でも血圧上昇に関連する酵素の働きを阻害する働きが見えたという報告があるのです。

ただし、お酢の飲み方については「この飲み方が一番正しい」と明確ではありません。一説に「正常高値血圧以上の場合750mgの酢酸を含む食酢約大さじ一杯強程度」を飲んだり食事に採り入れると、降圧効果があるといわれています。

酢は血糖値を下げることができる

お酢は血糖値を下げる効果も期待できます。健常女性に「食酢約15mlを含む飲料」「含まないプラセボ飲料」を摂取してもらう実験が行われました。2時間後、食酢を摂取した人を調べると、多くの方で血糖値は低く抑えられている結果が見られました。

また「ワカメを食酢で和えたもの」と「食酢を含まないワカメをダシ醤油で和えたもの」を食べてもらう実験も行われました。結果、食酢を取った人は45分後まで血糖値が低く抑えられています。急激な血糖値の上昇を繰り返すと糖尿病のリスクが高まるため、お酢を上手に摂取して糖尿病予防に効果が見られるかもしれません。

参照元:ミツカン公式HP「食事と一緒に大さじ一杯のお酢で、食後の血糖値上昇を緩やかに」(http://www.mizkan.co.jp/company/sunochikara/totonoeru/04-1.html

血糖値を下げる飲み物は
他にどんなものがある?

酢の選び方

酢で糖尿病対策と共に健康維持を考えるなら、選び方にも注意が必要です。どんな酢も同じではありません。注意したいのは「食品添加物や糖質が豊富なジュースタイプ」です。

お酢ドリンクは飲み物として甘くて飲みやすくおいしいのですが、糖質が含まれています。原材料名を見て「果汁」「果糖ぶどう糖液糖」「砂糖」「はちみつ」が含まれていたら、血糖値上昇につながります。

しかし、ジュースではなくお酢そのものを飲むのはむずかしいです。ただ、酢の物やもずく酢、めかぶ酢など食べ物に使うと効率的にお酢を摂取できます。