紅茶

イギリスから日本へ紅茶がはじめて輸入されたのは、明治維新以後、1906年といわれています。

おいしさのみならず、ゆとりや豊かさの象徴としても愛されている紅茶ですが、体に良い影響を与える成分が多く含まれているのをご存知でしょうか?この記事では、紅茶の飲用による健康効果や、糖尿病による血糖値上昇の抑制効果などについて解説します。

紅茶の健康効果とは

紅茶

脂肪の吸収を抑制する

脂っこい料理を食べると、脂肪は十二指腸から出る胆汁によって乳化した後、膵臓から出るリパーゼによって分解され体内に取り入れられます。脂肪の摂りすぎは悪玉コレステロールを増加させるため、高血糖や高血圧につながり、さらには動脈硬化による脳卒中や冠動脈疾患の発生リスクを高めます。

紅茶に含まれているポリフェノールにはリパーゼを阻害する働きがあり、脂肪が体内に吸収される作用を抑えます。烏龍茶や緑茶でも脂肪吸収の抑制効果がありますが、これらと比較しても紅茶が一番効果的であるとの研究結果が出ています。

がんの発生リスクを抑える

40歳以降の日本人の死因第1位を占めるがん。がんは、体が細胞分裂をするさいに、何らかの刺激をうけた細胞の遺伝子の突然変異が原因で発生します。

紅茶が「がん」の発生リスクを抑えるのは、紅茶に含まれるカテキン類、紅茶フラボノイドに抗酸化作用があるため。紅茶の抗酸化作用の働きにより、老化やがんを引き起こす活性酸素から健康な細胞を守ってくれるのです。

糖化を抑制する

飲食で過剰に摂取した糖質と体内のタンパク質が結びつき、細胞を老化させる現象を「糖化」といいます。糖化が進行するとあらゆる病気を引き起こす原因になったり、肌のたるみやシミなどの老化現象となったりしてあらわれます。

紅茶に含まれるポリフェノールには細胞の糖化を抑制する作用があるため、肌の老化を防ぎたい人、美肌効果を期待したい人にも紅茶の飲用は効果的といえるでしょう。

また、紅茶に含まれているカフェインには新陳代謝の促進、カリウムには利尿作用、ポリフェノールには抗酸化作用があります。

ウイルスを抑制する

ウイルスによって引き起こされる風邪やインフルエンザの予防策として、昔から「お茶でのうがい」が推奨されてきました。もちろん紅茶でのうがいもウイルスの抑制に効果があるといわれています。

というのは、紅茶に含まれるカテキン類には殺菌や消毒・抗菌作用、タンニンにはウイルスの活動または増殖の抑制作用があるとされているからです。

咳エチケットや手洗いと同時に、紅茶でのうがいや飲用をウイルス感染予防として取り入れてみましょう。

紅茶は血糖値を下げることができる

糖尿病は、血糖値を下げるホルモンの一種「インスリン」が効きにくい、または出にくくなることにより、慢性的に血糖値(血液中の糖質の量)が高くなる病気。

血糖値の数値は、ストレス・体調不良・薬の服用・お酒・タバコなど食事以外の原因によっても変動します。血糖値は健康な人でも食後約2時間は上昇しますが、正常なインスリンの働きにより徐々に低下します。ただし、血糖値の高い状態が続くと糖尿病や他の生活習慣病の症状を引き起こす原因となります。

近年の研究結果では、紅茶には食事で摂取した糖質の吸収を抑える力があり、その作用により食後の血糖値上昇を緩やかにする効果があると判明しています。

糖尿病の症状には、体重の減少・喉の乾き・倦怠感・尿量の増加などがありますが、これらの症状がはっきりとあらわれず、血糖値が正常値よりもやや高い「糖尿病予備群」などにも紅茶の引用は糖尿病予防として効果的です。

血糖値を下げる飲み物は
他にどんなものがある?

紅茶の選び方

血糖値を下げる、または上昇をゆるやかにするために紅茶を飲むなら、ホット・アイス・レモンティーなど基本的に制限はありません。ただし、紅茶にミルクや砂糖を入れると、含まれている糖分により血糖値が上がる可能性があるため、ストレートで飲むのが効果的でしょう。

また、紅茶には産地や種類が多数ありますが、ポリフェノールの多く含まれている「ディンブラ」や「ウバ」などが血糖値の上昇抑制に効果が期待できます。お好みの紅茶を選んだら、食事中や食後に紅茶を飲む習慣を身に着けていきましょう。