生まれたばかりの赤ちゃんは「甘み」にだけ舌なめずりをするという研究結果があります。私たち人間が本能的に甘みを好むまたとない証拠です。甘いものを摂ることに、効率性こそ感じるものの、罪悪感はまったくありません。
私にとって甘いものは食後のお楽しみというより、効率よくエネルギーを摂るための食事の一つです。正直なところ、下手な味付けは必要ありません。ガムシロップとかシュガースティックとかクリームとか、ストレートにくる甘さがあれば良いんです。朝ごはんに毎日クリームを摂取し、夕食は菓子パンで済ませることもあります。午後に頭が回らなくなれば、スティックシュガー3本くらいサラリです。
甘いものが食べたくなるのは、体が糖分を欲しているからだと信じていたため、この生活をしていても健康診断で血糖値の高さを指摘されるとは思っていませんでした。昔から「甘いものばかり食べていると糖尿病になるよ」と言われてきたことは多く、その言葉が現実のものになると思うと少しゾッとするなと思って改善を考えはじめました。
試しにデザートまでペロリと食べたランチ後、血糖値(食後2時間)を図ってみると…126mg/dLという結果になりました。糖尿病予備軍の数値である140mg/dLまではいかなかったものの、正常値内ではやや高めの数値が出ている印象ですね。
二木昇平(ふたきしょうへい)医師
二木皮膚科院長・虎の門診療所副院長を兼任。漢方専門医として健康食品による糖尿病予防について各種メディアで情報を発信している。
砂糖依存症になりあらゆる病気のリスクを高める
世の中はたくさんの⽢いものであふれていますが、基本的には砂糖を多く含んでいるため糖質はとっても高め。砂糖(糖質)は急激に血糖値を上昇させる働きがあるため、糖尿病をはじめ動脈硬化や脳卒中など、重症化する疾患を引き起こすリスクが高まってしまうのです。
さらにこわいのは「砂糖依存症」。糖を摂取することによる血糖値の急激な増減や、甘いものを摂取したときに脳内で放出されるドーパミン・セロトニンといった脳内幸福物質で中毒のような状態になり、砂糖が欠かせない状態になります。砂糖依存症になると、うつ病や骨粗しょう症になるリスクも高まることがわかっています。
食べ方を工夫する
できるだけ糖質を抑えた食べ物を摂取するように心がけましょう。例えば、チョコはなるべくカカオの数値の高いものにしたり、糖質オフの物を食べるようにしたり。糖質を押さえても十分に甘みを感じることはできるはずです。小分けにしてゆっくり食べることで、摂取しすぎを防ぐのも有効でしょう。
思い切って甘いものをやめる
甘いものには目がないという気持ちはよく分かります。しかし、食べすぎると肥満や糖尿病になり、将来的には食べることすら難しくなる未来が待っているかもしれません。まずは試しに数日、甘いものを食べずに砂糖を体から抜いてみませんか?意外にも甘いものを食べずに済むことがわかると思います。
動力源を失ったも同然=生きていけない
無謀だと思いながらも甘いものを買わないように挑戦してみました。スーパーに行くたびに買っていたホイップ&あんぱんもこしあん団子も、女子会の定番だったパンケーキもしばらく封印。しかし、想像を絶する辛さとの闘いがはじまります。甘いものを食べない体は、ガソリンのない車と同じ。何をするにもやる気が出ないし、体が甘さを欲しがっているのがわかります。これって健康なのでしょうか?疑問しかわかず、結局少しだけ少しだけ…といつの間にか元の生活に戻りました。
仲の良い友達の旦那さんが糖尿病予備軍らしく、予防のために飲んでいる「健康茶」について教えてもらいました。1杯123円程度らしく、なかなかお手頃。コンビニで売っている血糖値に良いお茶も気になっていたのですが、毎食ごとに1本飲まなければならなかったりして、意外と大変そうなことを知りました。とりあえず1週間だけ、教えてもらった「健康茶」を食事と一緒に飲んでみることに。どのくらい下がるのか測ってみて驚きました。
126mg/dLから1週間、お茶生活中に改めて血糖値を測定してみると、結果79mg/dL。私が飲んだものは味にそこまで癖がなく、スティックタイプで水にも溶かして飲めるため、手間がほとんどありませんでした。もともと仕事中に水は飲むほうなので、置き換えるだけで楽に続けられます。
ヤーコン葉・バナバ葉など、血糖値の吸収を抑えてくれたり、糖をエネルギーに変えるインスリンの働きをサポートしてくれたりする茶葉がいっぱい入っていると、より効果が期待できるみたいですね。