少しは身体のことを気遣おうとは考えているものの、定食を頼んだらいつもの癖で「大盛!」。だって値段変わらないじゃないですか。サラダはいっぱい食べてもお腹に溜まらないですし。白米は日本人が昔から大事にしてきた、生命維持のためのエネルギー源ですよ。
外食に出かければもちろん大盛、おかわり自由なら2杯はいきます。とにかくどんなおかずにも合う白米が、この世の中で一番美味しい食べ物だと思って生きてきました。その結果、お腹がどんどん出てきてしまい、健康診断で糖尿病のリスクを聞かされることに。目が見えなくなる、手足が壊死するなどと聞かされ、改善を考えはじめました。
普通の食事をして食後血糖値(2時間後)を計ってみると…119mg/dLでした。意外にも正常値内。もしかして何も心配する必要はないのではと思ったほどです。もしや食後血糖値2桁も夢ではないのでは?
二木昇平(ふたきしょうへい)医師
二木皮膚科院長・虎の門診療所副院長を兼任。漢方専門医として健康食品による糖尿病予防について各種メディアで情報を発信している。
ほとんど砂糖を食べているのと一緒
白米はご存知の通り糖質の塊です。糖質は体の中で糖へと分解・吸収されるため、食後の血糖値を急激に高めてしまうリスクがあります。
お茶碗1杯分(150g)の白米の糖質量を砂糖で換算すると、どのくらいの量になるかご存知ですか?なんと約55g、角砂糖14個分です。「お茶碗1杯なんて大した量じゃない」って思いますよね。でもたった一杯で角砂糖14個と同じだと考えると、白米の凄まじい糖質量が理解できるのではないでしょうか。
分解・吸収の過程を考えても、白米はほぼ砂糖を食べているのと変わらないといって過言ではありません。
食べ過ぎは糖尿病リスクも55%上昇する研究結果も
もちろん糖質は身体のエネルギーになる重要な栄養素なので、食事に取り入れるのは大切なことです。問題なのは摂り過ぎること。食後血糖値の急激な上昇は、糖尿病はもちろん動脈硬化などにかかるリスクを高めます。
2012年に発表された英医学誌BMJ(British Medical Journal)でも、すでに白米の大量摂取の危険性が発表されていました。日本・中国・アメリカ・オーストラリアで行なわれた研究結果を再分析したところ、アジア人では、白米を多く食べている人はそうでない人に比べて2型糖尿病のリスクが55%上昇する結果が得られたのです。
※参考文献:thebmj(https://www.bmj.com/content/344/bmj.e1454.full)食べる順番を最後にする
お腹が空いている状態でごはんを食べると美味しくてついつい食べ過ぎてしまいますし、空腹状態から急激に血糖値を高めることにつながります。近年は食べる順番を意識した「カーボラスト」という糖尿病対策の食事法も話題になっていますね。
米国ウェイルコーネル医科大学による食事の順番に関する研究では、炭水化物を野菜やタンパク質より「1:先に摂る」「2:後に摂る」の2グループに分けて食後の血糖値を調査。その結果、「2:後に摂る」のグループのほうが血糖値の上昇を抑えられたという結果が出ています。
※参考⽂献:American Diabetes Assosiation(https://care.diabetesjournals.org/content/38/7/e98.full)サラダ・味噌汁・副菜・主菜…と⾷べすすめていき、最後に⽩⽶を⾷べることで⾎糖値の上昇を緩やかにでき⾷べすぎ防⽌にもなります。
また副菜には、食物繊維がたっぷり含まれた野菜・海藻・きのこ類を積極的に混ぜるのが効果的。食物繊維が糖質の吸収をゆるやかにすると共に食後血糖値の急激な上昇を抑え、カーボラスト効果をサポートしてくれます。特に水に溶けやすい水溶性食物繊維は、胃腸内に長くとどまるため満腹感を長い時間キープしてくれる特徴があるため、食べすぎも防いでくれますよ。
玄米・もち麦に置き換える
どうしてもおかずと⼀緒に⽶が⾷べたいと思う⼈は、比較的低糖質な⽞⽶や食物繊維が豊富なもち⻨に置き換える⽅法があります。急にすべてを⽞⽶・もち麦に変えると違和感があるため、最初のうちは半分だけ変えるなどして徐々に⽩⽶を減らしていくのがおすすめです。
ただし、食物繊維やタンパク質が豊富で血糖値が上がりにくい「もち麦」ですが、糖質量は低い訳ではないので要注意。一般的な白米がお茶碗1杯(150g)あたり糖質55gなのに対し、もち麦は90g以上もあります。食べ過ぎは禁物です。
ポソポソして全然美味しくない
身体にいいからと妻にすすめられ、半ば強制的に食べ始めた玄米。ぬか臭いのとポソポソした食感が絶妙に食欲を削いできます。修行僧ってこんな気持ちなんでしょうね。
心から美味しいって思えないと、それこそ不健康だと僕は思います。マズくてたまらなくなって、ネットで調べてみたら「慣れると美味しく感じる」なんて書いてあったんです。それ、もはや「美味しくない」ですよね。こんなの出家しちゃいますよ。
玄米生活から挫折するまでに、そう長くはかかりませんでした。
玄米に打ち勝てなかった私は、断腸の思いで「大盛り・おかわり禁止ルール」を自らに課しました。ですが人生いろいろあるもので、お昼はOK、月曜日はOK、とマイルールを追加していった結果、ついに前と変わらない白米消費量に逆戻り。
大盛りを突然やめるなんて、最初からエベレストに登るようなものです。まずは散歩からですよね。そこで、糖尿病予防に効果があると聞く健康茶を飲み始めてみました。
最初はコンビニでよく見かける有名なお茶を飲もうと思ったのですが、あれ、毎食1本飲み切らないといけないらしいですね。同じペットボトル1本分の容量を取るなら、白米を入れたいところ。健康茶は通販で1か月分まとめて買えば1本あたり123円で意外と安かったのも選んだ理由です。だまされたと思って1週間飲んでみたら、結果を見てびっくり。
119mg/dLからお茶を飲みはじめて1週間後の血糖値が、85mg/dL。もともと数値が劇的に高かった訳ではありませんが、お茶を飲んだのが効いたのかさらに低い数値が出ました。普段の生活に健康茶をプラスするだけで血糖値を抑えられるなら、未来も明るいですね。味もルイボスティーに似ていて、私は嫌いじゃありません。
水に溶かすだけで飲める手軽さも、面倒くさがりな私にはちょうど良かったです。これからも続けていこうと思います。