荻野愛(おぎのあい)
東京家政大学栄養学科卒業の管理栄養士・フードコーディネーター。「簡単で美味しくからだに優しい」をテーマに数多くのレシピ提案・栄養コラム執筆を手掛けています。生活習慣病に効果的な食事の普及にも力を入れている荻野愛さんに、糖尿病に効果的なレシピを提供いただきました。
トマトは昔から「トマトが赤くなると医者が青くなる」という言葉があるように、健康によい食材として親しまれてきました。とくにリコピンという成分が豊富に含まれているのが有名なのではないでしょうか。リコピンは細胞の酸化を防ぐ抗酸化作用が高く、インスリンの働きを促す働きがあります。リコピン以外にも、ビタミンやミネラルが豊富なトマトは、糖尿病予防・対策におすすめの食材です。
糖尿病予防として積極的に食べたいトマトの簡単レシピをご紹介します。
糖質:9.6g/食塩相当量:0.6g
常備菜としても便利なピクルスのレシピです。ミニトマトを使えば、抗酸化作用のあるリコピンを無駄なく摂取できるのでおすすめ。酢は食物繊維と一緒に摂ることで、血糖値の上昇を緩やかにしたり、脂肪の合成抑制・分解促進の作用が期待できるため、色々な野菜類を使ったピクルスは糖尿病予防・対策にぴったりのレシピといえます。
1:ミニトマトはヘタを除き、パプリカ、きゅうりは食べやすい大きさに切る。
2:鍋に【A】を入れて火にかけ、砂糖が溶けたら火からおろして冷ます。
3:2に1と、粒こしょう、ローリエ、とうがらしを加えて冷蔵庫で寝かせる。
4:翌日になって味がしみこんだら出来上がり。
※保存容器に水分や汚れがあるとピクルスが傷みやすいため、しっかり水気を切った清潔な容器を使いましょう。
糖質:5.3g/食塩相当量:1.3g
トマトを豚ロースで巻いた食べ応えのあるレシピです。大葉や大根おろしと合わせることで、食べ応えがありながらもさっぱりとヘルシーに仕上げています。
1:トマトは6等分位のくし形に切る。
2:大葉は千切り、大根は皮をむいておろし金でおろす
3:豚ロースに塩、こしょうを振り、1を巻く。
4:3に小麦粉をつけ、オリーブオイルを熱したフライパンで焼く。
5:4を皿に盛り付け、その上から2を乗せ、ぽん酢しょうゆをかけて出来上がり。
トマトには抗酸化作用のあるリコピンをはじめ、ビタミンやミネラルがたっぷり含まれています。生でも食べられる食材ですので、手軽に糖尿病の予防・対策として取り入れることができるのがメリットです。しかし、毎日毎日トマトばかり食べていればよいということではありません。糖尿病の予防・対策には様々な食材を毎日バランスよく食べるのが大切です。しかも一時的な改善では、意味がありません。糖尿病に良い食材を意識すると共に、バランスの良い食事を続けていきましょう。
自炊をしてこなかった人だと、毎日栄養バランスを考えた食事を続けることが難しいケースもあるかもしれません。そんなときには手軽に生活に取り入れられる「健康茶」を選ぶのもおすすめです。