荻野愛(おぎのあい)
東京家政大学栄養学科卒業の管理栄養士・フードコーディネーター。「簡単で美味しくからだに優しい」をテーマに数多くのレシピ提案・栄養コラム執筆を手掛けています。生活習慣病に効果的な食事の普及にも力を入れている荻野愛さんに、糖尿病に効果的なレシピを提供いただきました。
アーリーレッド/レッドオニオンは、赤たまねぎ(紫たまねぎ)のことです。たまねぎはポリフェノールや硫黄化合物が豊富な食材で、血栓をできにくくしたり、肝機能を整えたりする働きがあります。たまねぎの辛味成分であるイソアリインと抗酸化作用をもつグルタチオン酸、ポリフェノールの一種であるケルセチンの3つが合わさると相乗効果が起こり、血糖を効率的にコントロール可能。たまねぎの中でも特に赤たまねぎは、抗酸化作用をもつポリフェノールの一種・アントシアニンも含んでいるため、糖尿病などの生活習慣病を予防するのにもよいとされています。
糖尿病予防として積極的に食べたい赤たまねぎのレシピをご紹介します。
糖質:7.3g/食塩相当量:1.4g
低脂質・高たんぱくの鶏むね肉とたっぷりの赤たまねぎを使ったヘルシーな南蛮漬けです。たんぱく質はインスリンの材料にもなるため、適量をしっかりと摂りましょう。
1:赤たまねぎとピーマンは細切りにして、軽く水にさらす。鶏むね肉は一口大にそぎ切りにして、適量の小麦粉をまぶす。
※赤たまねぎは、繊維に対して垂直に切ると、繊維が断ち切られ、辛味が抜けやすくなります。
※赤たまねぎを水にさらす時間は2~3分程度が目安です。水にさらしすぎるとビタミンや有用成分の損失が多くなってしまうので注意しましょう。
2:耐熱容器などに【A】を混ぜ合わせて、レンジで加熱する。(砂糖が溶ければOK)
3:フライパンにオリーブオイルを熱し、鶏むね肉を焼く。
4:1と3を2に漬け込む。粗熱が取れ、味がなじんだら出来上がり。
糖質:4.7g/食塩相当量:0.3g
タンパク質・食物繊維豊富な豆類を手軽においしく摂れるサラダです。異なる食感を持つ食材を組み合わせているので、食感を楽しみながら食べられます。赤たまねぎが血糖コントロールだけではなく、彩りのポイントになっているので見た目も美しい一品です。
1:赤たまねぎときゅうりは、ミックスビーンズの大きさに合わせて角切りにし、切った赤たまねぎは軽く水にさらす。ツナは水気を切っておく。
2:石づきを切り離したぶなしめじを耐熱容器に入れ、酒少々(分量外)をふりかけレンジで加熱する。
3:1、2とミックスビーンズを混ぜ合わせる。
4:イタリアンドレッシングで和えて、最後に黒こしょうをかけて出来上がり。
※ノンオイルタイプのドレッシングを使うと、カロリーを抑えることができます。
※黒こしょうをかけると、香りや風味が豊かになり、ドレッシングを控えめにしてもおいしく食べることができますので、カロリーダウンや減塩につながります。
食事による糖尿病の予防・対策で大切なことは、日常の習慣として継続することです。赤たまねぎなど、血糖コントロールに有効な食材を積極的に食生活に取り入れたり、バランスの良い食事をしたりということが糖尿病の予防・対策の基本となります。すぐに毎日の食生活を見直すというのはなかなか難しいものですが、毎日続けなければ糖尿病のリスクは高まってしまいます。
続けられる自信がない、でも、糖尿病は気になる。そんな人には、健康茶をおすすめします。食事や休憩時間の飲み物を健康茶に置き換えればよいだけですので、比較的簡単に取り入れることができる糖尿病予防・対策習慣です。健康づくりの第一歩として取り入れてみてはいかがでしょうか。