荻野愛(おぎのあい)
東京家政大学栄養学科卒業の管理栄養士・フードコーディネーター。「簡単で美味しくからだに優しい」をテーマに数多くのレシピ提案・栄養コラム執筆を手掛けています。生活習慣病に効果的な食事の普及にも力を入れている荻野愛さんに、糖尿病に効果的なレシピを提供いただきました。
オクラの特徴でもあるネバネバは、食物繊維の一種によるものです。食物繊維は粘着性があり、胃腸内をゆっくり移動。一緒に摂った糖質の吸収を邪魔してゆるやかにする効果があり、食後の血糖値上昇を抑えてくれます。また、血糖コントロールに欠かせないインスリンの働きをサポートするミネラル類も豊富な食材ですので、糖尿病の予防・対策におすすめの食材です。
糖尿病予防として積極的に食べたいオクラの簡単レシピをご紹介します。
糖質:2.9g/食塩相当量:0.9g
納豆とオクラ、2つのネバネバ食材を合わせたシンプルなレシピです。納豆はナットウキナーゼや、良質な植物性タンパク質、大豆の1.5倍ともいわれる食物繊維などの有用成分が含まれており、食後の血糖値上昇を緩やかにする働きがあるため、オクラとの相性がとてもよい食材です。そのまま食べても、ごはんにかけてもおいしく食べられます。
1:オクラを分量外の塩で板ずりし、産毛を取り除く。その後熱湯で1分程茹でて冷水にとる。
※板ずりとは、野菜に適量の塩をまぶしてすりこみ、まな板の上で転がす下準備のことです。板ずりをすることによって、産毛がとれて食感がよくなる、緑色が鮮やかになる、アクが抜けるなどの効果があります。
2:オクラを小口切りにする。
3:納豆をよく混ぜ合わせる。
4:3に2を加えて、しょうゆで味を調え器に盛る。
5:かつおぶしをかけて出来上がり。
糖質:4.7g/食塩相当量:1.1g
オクラとなめたけをトッピングした冷ややっこの簡単アレンジです。オクラとなめたけの食物繊維が糖の吸収を抑制。ヘルシーでありながら満足感のある豆腐レシピです。
1:オクラを分量外の塩で板ずりし、産毛を取り除く。その後熱湯で1分程茹でて冷水にとり、小口切りにする。
2:大根はおろし金でおろし、軽く水分を切っておく。
3:1、2となめたけを和えて、豆腐の上にのせる。
4:ぽん酢しょうゆをかけて出来上がり。
糖尿病は痛みなどが伴わないため、自覚しにくい病気です。しかし、進行すると命に関わることもありますので、日頃からの予防・対策がとても大切になります。代表的な予防法である食事や運動で大切なことは継続すること。
今回ご紹介したオクラは食物繊維のちからで、糖質の吸収を抑える働きがある食材です。このように、血糖コントロールに有効な食材を使った食事をすることが理想的。ただ、毎日の食事で実行するのはなかなか難しいものです…。
糖尿病予防・対策は無理なく毎日継続することが重要です。食生活を変える意識を持ちつつ、まずは手軽にできることから始めてみましょう。手軽にできる糖尿病予防・対策の1つとして、健康茶もおすすめです!普段の水分補給に健康茶を飲むだけなので、手軽に始めやすく継続しやすい糖尿病予防・対策法といえます。